デリケートゾーンの臭いの原因、「すそわぎが」って病気なの?
Beauty 2017.04.21 UPDATE

デリケートゾーンの臭いの原因、「すそわぎが」って病気なの?

※ この記事は、2017年4月21日に追記しました!
 
 
女性ならどうしても気になる、デリケートゾーンのにおい。

デリケートゾーンをいくら清潔にしていても、なぜか強いにおいがする。そしてかゆみも覚えるとなれば、ピンと来るのはカンジダ膣炎や性感染症でしょう。

しかし性感染症に感染する心当たりもなく、カンジダ膣炎の特徴であるおりものの変化も見られないとすれば、それは実は「すそわきが」という病気かもしれません。

ここでは、すそわきがとは何か、においの原因は何なのか、なぜすそわきがになるのか、また、すそわきがへの対処法などを説明していきます。

(監修・取材協力)
辻奈央先生

辻 奈央先生
東京皮膚科・形成外科、イーストワン皮膚科・形成外科 2009年北里大学医学部卒業、日本大学板橋病院初期研修。2011年日本大学板橋病院 初期研修終了、日本医科大学麻酔科勤務。2013年大手美容外科院長を経てイーストワン皮膚科クリニック開業。日本形成外科学会 会員、日本美容外科学会 会員、日本麻酔科学会 会員、日本アンチエイジング外科学会 会員、日本医学脱毛学会 会員。株式会社N&Yホールディングス http://nyholdings.net

1.すそわきがとは


人間の汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺があります。

エクリン腺は人のほぼ全身に無数にある汗腺で、ここから出る汗の99パーセントは水分です。残りの1パーセント以下に塩分や尿素、アンモニアなどが含まれています。エクリン腺から汗をかいた後の皮膚は酸性になり、雑菌の繁殖やにおいが抑えられることになります。

アポクリン腺は、わきの下、陰部、肛門、乳輪などに集中しており、毛穴からタンパク質、脂質、アンモニアなどの混じった、やや粘り気のある汗を出します。

動物は種の保存のため異なる遺伝子を求め、においの異なる異性に惹かれる本能をもっています。このアポクリン腺の汗は、人類が動物だった頃の名残です。

また、この2種類の汗腺以外にも皮脂腺があり、ここから出る油分で、肌にうるおいが与えられます。

人間の場合、アポクリン腺からの汗も、それ自体はほぼ無臭なのですが、この汗が皮脂とまじり、肌の上で細菌によって分解されるときに出るにおいが、わきがの正体なのです。

アポクリン腺自体は誰にでもあるものですが、その量は遺伝で決まり、アポクリン腺が多い体質は優性遺伝するといわれます。

欧米人含む人類全体では、わきがを持つ者のほうが圧倒的な多数派です。ただ日本人などの東アジア人は例外的にわきがが少ないため、「腋臭症(えきしゅうしょう)」と認識されます。

これと同じことがデリケートゾーンで起こるのが裾(下部)のわきが、すなわち「すそわきが」なのです。特にすそわきがの場合、生理時のホルモンバランスの影響や、陰部からのおりものや分泌物と交じり合って、においが強くなることもあります。

また、すそわきが自体はかゆみの原因になりませんが、すそわきがと同時にかゆみを覚えるのは、デリケートゾーンが蒸れている証拠と考えられます。

2.すそわきがの判定法


日本人の場合、わきが(すそわきが)かどうかは、遺伝の要因が大きくなります。デリケートゾーンのにおいが気になる方は、以下のことに心当たりはないでしょうか?

・シャツの脇や下着に黄色い汗じみがつく。


これは、タンパク質などいろいろな成分が混じるアポクリン腺の汗が多い証拠です。

・わき毛や陰毛に白い粉がつく。


特にデオドランド用品などを使っていないのに、わきや陰部の毛に白い粉上のものがつくのは、アポクリン腺からの汗の成分が固まったものだと考えられます。

・両親がわきがである。


わきが体質は優性遺伝するため、両親の双方、また一方がわきがであれば、わきが体質の可能性が高くなります。

・耳垢が湿っている。


日本人の場合、耳垢が湿っているのは約16パーセントといわれています。耳垢が湿るのは、耳の穴にアポクリン腺が多いためです。

・陰毛が濃い。


女性の場合、陰部の毛が太く、ひとつの毛穴から2本の毛が生えているような人は、アポクリン腺が多いとされます。

・乳首からにおいがする。


アポクリン腺は乳輪のまわりにもあるため、わぎが体質の人は乳輪もにおうことになります。

これらに当てはまる点が多ければ、わきが(すそわきが)の体質だと考えられます。

3.すそわきがの対処法


すそわきがの原因は、アポクリン腺から出る汗と雑菌が原因です。つまりデリケートゾーンの汗をこまめに除去し、雑菌の発生を抑えて清潔に保てれば、においを軽減できます。ここからは、具体的な対策の例をあげていきましょう。

まず通気性を重視した下着とゆったりした衣服を選びましょう。ナプキンやおりものシートも通気性のいいものを選び、こまめに取り替えます。暑い季節や身体を動かした後などは、除菌ウエットティッシュなどで汗をふき取りましょう。

わきが専用のデオドラント製品を使うのもいいでしょう。ただ、体質に合わないと肌荒れの原因になるので注意してください。

トイレでは、ビデや専用のウエットティッシュを使って尿やおりものをきれいに洗います。毎日お風呂でデリケートゾーンを洗うことも大切です。ただ、刺激の強い石鹸などで間違った洗い方をすると、肌荒れや身体を護る善玉菌まで減らしてしまい、黒ずみの元や、かえって体臭を増やしてしまうこともあります。デリケートゾーン用の石鹸を使い、よく泡立てて、指の腹でやさしく洗いましょう。

食事も、すそわきがのにおいに大きな影響を与えます。肉や卵、牛乳など、動物性タンパク質や動物性脂肪は、アポクリン腺や皮脂腺を刺激して、体臭を強くしてしまいます。

マヨネーズやマーガリン、スナック菓子などのリノール酸を含んだ食物は、コレステロールや中性脂肪を増やし、体内で酸化すると体臭の原因になります。アルコール類も体内のにおい成分を放出する性質があります。

香辛料やにんにく、たまねぎ、ニラなどのにおいの強い食べ物は、におい成分をそのまま排出するほか、アポクリン腺を刺激して活発にしてしまいます。わきが体質の人は、これらの食品を摂ることを避けたほうがいいでしょう。

ファーストフードやジャンクフード、コンビニ弁当などは、油分のほかに食品添加物も多く含まれ、活性酸素を増やすことで体臭の原因になります。

逆にわきがを抑える食事内容ですが、タンパク質や脂質もまったく摂らないわけにはいかないので、まず肉の代わりにに魚介類を中心にする、油はゴマ油やオリーブオイルなど、植物性のものを使いましょう。ゴマ油には血液をサラサラにしてくれて、オリーブオイルは抗酸化作用もあります。

めかぶや梅干などのアルカリ性食品は、体内の酸性分を中和して、体臭を抑えてくれます。緑茶やほうじ茶、緑黄色野菜や果物などポリフェノールが含まれる食品は、抗菌作用、抗酸化作用があります。赤ワインも適量ならいいでしょう。

全体としては、ファーストフード、コンビニ弁当など、添加物が多い食品は避け、肉中心の欧米化した食事から、和食中心の食生活に切り替えることが、すそワキガの抑制には非常に効果的です。

わきがが強く、またどうしても気になり、以上の対策でも抑えきれない場合は、病院で汗の分泌を抑えるボトックス注射や、アポクリン腺の除去手術を受ける方法もあります。

4.まとめ


すそわきがは体質的なものなので、病院で手術を受けない限り、根本的に解消することはできません。極端に強いわきがの場合はそうするしかないでしょう。

ですが、さほどのにおいでなければ、適切なケアで十分に軽減できます。すそわきが防止のために清潔さを保ち、生活習慣を改善することは、その他の体臭や病気の防止、さらにはアンチエイジングにもつながります。

すそわきが対策というより健康的な毎日のためだと思って、ポジティブな気持ちで挑んでみてもいいのではないでしょうか?